マンガ・アクタージュをいまさら読んでいまさら体が震えるほど感動した件

アクタージュというマンガが人気になっていて、原作者のことで急に休止になったという話題は知っていました。知っていたけど、「ふーん、そうなんだ」って感じでニュースを聞き流していました。縁あって、アクタージュの中古の単行本が手に入ったので読みすすめると、これはやばいマンガだな、と感じ、つかみの部分からどんどん引き込まれていきます。マンガにこれだけ没頭したのも、本当に久しぶりの体験でした。そして、いまさらながら、この作品のあちこちの場面で体が震えるほどの感動を体験しました。

アクタージュ第一巻

アクタージュ1の冒頭は、主人公の夜凪景(父は出て、母は死に、弟妹2人を育てているきれいなJK)が、スターズという大手芸能事務所のオーディションを受けるところから。そこに審査員として参加している人の中に、黒山墨字という世界亭に有名な映画監督がいた。オーディションに集まってきた人は、役者や役者を目指してる役者のたまごばかりだけど、夜凪景はまったくの無名、全くの素人で参加している。

オーディションでのお題は、「悲しみ」。悲しみをいろんな人が演じる中、ぽつんと「悲しみの中に佇んでいる」夜凪景を黒山は発見する、「こいつは本当の悲しみの中にいる」。さすが、黒山は夜凪の才能を見抜く。しかし、審査員の中には、見る目がないものもいる。「ただボサーっと立っているだけじゃだめだ、もっとわかりやすく悲しみを表現しろ!」そう言われた夜凪は、「こう?」と振り向きざま、一つ涙を自然に、いとも簡単に流してみせる。この演技に周りは驚く。

しかし、オーデションは不合格。それは、スターズには本物の役者はいらない、顔が可愛くて、そこそこ演技ができればいい、夜凪のような役にのめり込むタイプは必ず破滅する、もと大女優だったスターズの社長、星アリサが言い放つ。そこで、黒山が夜凪を追いかけ、この逸材を育て、いつか自分の作品の主人公として使おうと、さまざまな課題を夜凪景に与える。しかし、次々に課題をクリアし、その都度成長していく景ちゃん。最後はスターズのスター百城知世子との共演相手を選ぶオーディションに出ることになります。もちろん、一度スターズではオーディションを落ちています。普通ならば落ちるはずです。なぜなら、夜凪のような役に溺れるような役者はいらない、人を不幸にしたくないのが、スターズの方針ですから。・・・さてどうなるか?答えは2巻以降になります。

アクタージュ2 百城知世子の仮面

オーディション

アクタージュ2は、オーデションから始まります。オーディションは無人島に不時着した後、殺し合いが始まるというテレビドラマ「ロスト」と映画「バトル・ロワイアル」をあわせたような場面設定を四人一組で演じさせようと言うもの。ただし、条件は5分以内に殺し合いが始まらなければならない。上っ面だけを演じる凡庸な役者ならともかく、夜凪景のような役者、つまりメソッド演技をやる役者にとっては、「人殺し」の気持ちなどわからないし、なりきれない。しかし、オーディションではやれという。景は芝居に入ると、勝手に体が動いてしまう面もある。オーデションではまず景以外の三人が墜落した経緯などでもめ始める。景はまだ動かない。しかし、三人だけの芝居では面白くもないので監督はオーデションを打ち切ろうとしたところ、景が起き上がり、みんなどうしたの、どうして無人島ってわかるの、歩いてみないとわからないじゃない。これには監督もびっくり。せっかくコロシアイの手前まで行ったのに景ちゃんの演技で台無しにしてしまった。面白い局面になったが、他の三人が作った場面を壊してどうする?監督はニヤニヤしながら四人の演技を観ている。そこで景は突然岩のセットの方に走り出しぶつかる。そして来ないで!と三人に向かって言ったところで、一人の役者が気づき、そうだ、他のやつらは俺たちが殺した・・後はお前だ!と景に襲いかかろうとする、景もセットの棒きれを掴み、殴りかかろうとする、そうだ俺をそのまま殴れ、殺し合いの始まりだ!みんなそう思った瞬間、女優の茜ちゃんが、「せっかくのみんなの演技を台無しにして何しとるんや!」と本気で景を怒鳴ってしまい、お芝居は終了してしまいました。しかし、監督は見抜くのです。景が演じ始めてから他の3人のポテンシャルが際立ってきた、というわけで景ちゃんを始め、オーデションを受けた三人は合格し、無事「デスアイランド」の映画に出演できることになったのでした。しかし、景ちゃんはオーデションで演ったことが結果的にみんなに迷惑をかけることになった、ということを知って落ち込むのでした。事務所に戻って黒山に話をします。「私、今のままじゃだめだ、どうししたらいい」黒山は言います「自分を俯瞰する目を持て」演じている自分を客観的に観る目を持て、そんな意味でしょうか。「スターズの百城知世子はできている、今回映画で共演するのだから、盗んでこい」そう言われるだけでした。

デスアイランドの撮影

「デスアイランド」の撮影が始まってからも景ちゃんの活躍は続きます。例えば同級生が殺されるシーン。景は本当に想像してしまいます。スタートがかかると見る見る顔が蒼白になっていく景。そして吐きそうになります、実際吐いてしまいます。ただし、カメラのフレームから外れて、映らないようにして、吐いちゃいます。吐くのは止められないから、自らフレームアウトしたわけです。このシーンを観ながら監督は、「この子、いびつな成長の仕方してるね」と言いながらなぜか嬉しそうなんです。またあるシーンでは、殺されそうになって逃げるシーンです。逃げる先は滝になっています。後ろから追われる景。迫るヒトゴロシ(同級生だけど)、で、本当は滝の手前で止まる予定でした。しかし、監督がカットをかけなかった、すると景は滝の中にそのまま飛び込み、一緒に追いかけられた女の子も飛び込み、本当は滝の手前で殺される役の子まで飛び込んでしまいました。監督はにんまりして、うんうんいいカットが撮れたとご機嫌。景は景で監督がカットかけないからそのまま行ってしまった、つられて飛び込んだ子らも「景ちゃんが飛び込んだから、負けるわけには行かないと思って」良くも悪くも影響を与える景ちゃんなのでした。

で夜凪ちゃんと知世子さまとの対決というか共演シーンは見ものだから本読んでくださいという感じです